「アトムの世紀」本に 手塚作品のメッセージ読み解く
(掲載日:2003/04/18)


現代に通じる「予言編」など

出版された「アトムの世紀はじまる―手塚治虫が遺したメッセージ」

 「鉄腕アトム」「ブラックジャック」など数々の名作を生んだ漫画家、故・手塚治虫さんの足跡をたどり、作品に込められたメッセージを読み解いた「アトムの世紀はじまる―手塚治虫が遺したメッセージ」が、神戸新聞総合出版センターから出版された。作品中で設定されたアトムの誕生日「二〇〇三年四月七日」を迎えたのに合わせ、本紙夕刊や阪神版に掲載された連載をまとめた。

 「アトム生誕」に合わせ、テレビアニメの復活や他作品の復刻など手塚漫画再評価の機運が高まっている。手塚さんは幼少期から約二十年間を宝塚市で過ごし、創作の原点を培うなど兵庫県とのかかわりが深く、神戸新聞では昨年一月から約一年間連載を続けた。

 “漫画の神様”が感性と発想をはぐくんだ少年時代を追った「宝塚編」、七百タイトル以上の作品から現代に通じるメッセージを漫画の場面とともに読み解いた「予言編」、生前かかわりのあった人たちが語る「回想編」などで構成。ペット型ロボット「アイボ」の開発に携わったソニーの土井利忠氏が、ロボットと人間の未来について語ったインタビューも収録した。

 四六判百四十四ページ。千二百円(税別)。書店で販売中。神戸新聞総合出版センターTEL078・362・7138

[ 手塚治虫のメッセージ ] 

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