<<解説>>
■「金庸武侠ドラマ 笑傲江湖」
「中国人で金庸を知らないものはいない」とまで称される、中国作家・金庸。既にチャンネルNECOにて放送した「射雕英雄伝」「天龍八部」などと共に、金庸の代表作とされているのが、本作「笑傲江湖」である。 この原作は、過去にも『スウォーズマン・剣士列伝』として映画化されたり、日本のアニメ『機動武闘伝Gガンダム』では、重要な登場人物の名前と原作のエッセンスが投入されるなど、現在のエンタテイメントに与えている影響は大きい。
今このTVドラマ『笑傲江湖』は、2001年に中国中央電子台が総力をあげて製作した作品で、CGは「射雕英雄伝」(2003年製作)「天龍八部」(2004年製作)には劣るものの、当時最高峰のワイヤーアクションをふんだんに用いたアクションシーンはハリウッドを遥かに凌駕する。
「ロード・オブ・ザ・リング」のような【剣と魔法の世界】の中国版【剣と内功の世界・江湖】で、波乱万丈に生きる主人公・令狐冲や、それを取り巻く強豪たち。人間離れした個性的なキャラクターも多数登場し、観る者を中毒症状のすること間違い無しの面白さだ!
■<<あらすじ>>
中国のとある昔、武侠を名乗る人々が、己の正義の元に内功を鍛え、超人的な能力をしのぎあう世界【江湖】。 ここでは、【正派】と【魔教】の二大勢力が江湖の統一せんと互いに覇を争っていた。
正派の一派である華山派の一番弟子・令狐冲は、義にあつく正直で剣の腕も立つが酒に目が無い男。ある日、謎の集団に襲われている老人に出会うと、持ち前の義侠心とその老人の持つ酒に誘われて、老人を助けてしまう。 この老人は、裏切り者として狙われていた魔教【日月神教】の長老の一人・曲洋であった。
その頃、用心棒を生業とする集団【福威[金票]局】の息子・林平之は正派・青城派党首・余滄海の息子・余人彦をひょんなことから殺害してしまう。
「仇討ち」と称して、福威[金票]局を襲う青城派一派。しかし彼らの本当の狙いは、林家に伝わる秘伝書『辟邪剣譜』であった。
曲洋は、正派・衝山派の劉正風と、音楽をもって正邪の隔たりを超えた知音となり、共に究極の楽曲『笑傲江湖』を創り出していた。その楽曲に惹かれた令狐冲、そして日月神教の任盈盈も次第に関係を深くしていく。 しかし、正邪の対立と、正派同士、邪派同士の対立、『辟邪剣譜』を巡る疑惑、争いなど、複雑に絡み合った江湖の状況が、令狐冲と任盈盈に降りかかるのであった…
<<笑傲江湖とは>>
江湖とは、国家や官僚が作った階級や価値観とは無縁の世界をいう。芸術家や僧侶、放浪者たち。しかし人はそんな江湖世界にも掟や規律を求め、それに縛られる。 「笑傲江湖」とは、本来自由な社会のはずの江湖にも生まれる、そんなしがらみを「笑い飛ばす」という意味が含まれている
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